駐車場立地

(1)立地性格への適応駐車場経営は一面では立地産業である。いくら設備の条件が揃っていても、駐車需要が発生しにくい立地では駐車場経営は成り立たないし、またいくら駐車需要がある地域であっても、立地性格に適応しない経営のままでは経営効率は低いものとなり、経営が成り立たない場合も起こり得る。さらにこれらの条件を満たしていても、立地に適応した車の流れや駐車場を利用する顧客の快適利用感にマッチした心理的な面からの見方で不適合な場合は、駐車施設の利用意識は低くなるから注意が必要となる。そこで此処では、一応の駐車立地条件を考慮して、その代表的な運営方法との関連を説明することとした。関空駐車場を経営するに当っても、当然あまりにも関空から離れていては、お客様の信用も得にくい。それと送迎に関してみ時間がとられてしまうということがあるので、関空の周辺に駐車場経営者が固まることとなっている。

① ビジネス街

ビジネス街の駐車場は主として時間契約による運営が適応とされているが、ビジネス街の性格に応じて、例えば卸売関係のビジネス企業が多いような所では、営業者や配達を含むその他の商用車の車庫利用の契約、あるいは金融機関やオフィスビジネスを主体として活動する企業団体の組織役員等が利用する自動車の車庫として、月極契約も高く取れる可能性がある。なお、ビジネス街における時間契約の利用は、昼間時間帯に偏る傾向が強いから、稼働率をよく調査して運営を図る必要がある。

② 商業地域

商業地域の駐車場も営業車用の需要と来街者用の需要の両方の利用が期待できる。その割合は、広域商店街や繁華街商店街ほど、来街用の利用需要が多くなる傾向にある。但しビジネス街と同様に、集客性の高い商店やサービス業から、来店顧客用の駐車施設としての固定的な契約もあり、月極契約や長期契約等による安定収入の確保も可能である。最寄り商店街の地域の駐車施設は、一般に商店街組織によって来街客用のサービス駐車施設として活用される場合もあるが、大半は周辺の商店やサービス業等の自家用車や営業車用の施設としての利用が主体となる。もちろん集客力の高い買回り品店や専門店の多い所では、時間ぎめによる利用の割合は高くなるが、安定的な駐車場経営には月極等による長期契約の固定収入を確保する方が無難と言える。

③ 交通機関リンク地域

郊外地の主要駅周辺部やターミナル駅の周辺部の駐車施設で、パーク&ライト方式による利用が増加している。すなわち、自宅から主要駅までは自家川車等で乗り付け、その後は交通渋滞の多い都心部地域までは電車等の交通の月極契約のような安定性はやや欠けるが、都市郊外部の主要駅周辺の駐車場では、結構注目されている契約方法である。また、このようなシステムに類似しているが、空港周辺部の駐車場の中には、航空機利用の顧客のために日数契約で帰航するまで、自動車を預かる駐車施設は多く存在している。これらの施設の中には、空港から5Km以上も離れている場所で駐車場を開設し、駐車場から空港までは駐車場側で用意した送迎車両で顧客を運搬しているシステムも多い。このタイプにまさしく関空の駐車場は当てはまっており、関西空港にはJRや南海の電鉄他、バスや直接空港橋を渡って車で乗り付けるケースなどアクセス整備は充分かと思われる。

④ 住宅地域

住宅地域に立地する駐車場は大半が月極を中心とする長期契約が主体となる。しかし一戸建て住宅の多い地域では、自家用の車庫を保有している世帯が多くなるので、未契約施設を少なくする対策が必要となる。したがって比較的利用の多いのは、高層住宅やアパートのような集合住宅の多い地域では安定した収入源となる場合が多い。ただし、届出駐車場に該当しない規模の駐車施設であっても、洗車用の水道栓や洗剤、ブラシ、箒等の清掃用品を格納庫等に集約して、駐車場利用者のためのサービス備品として提供できるような配慮が望ましい。また、駐車場内のトラブルの発生や事故等の対策についても、単に車庫利用の賃貸の口約束だけで処理せずに、明確な免責条項が記載された契約を交わしておくことが必要である。ウエーブパーキング関空は住宅地の一画にその駐車設備を早くから確保し10年以上の営業を続けている。

⑤ 観光地域

観光地域の駐車場は、大半が時間契約の運営となる。観光地の性格によって異なるが、特に季節による利用客の変動状況や、地域の行事やイベントの状況等に対する配慮が必要、観光地によっては、その時期によってまったく利用客が途絶えたり、逆に駐車利用が多くなって利用客の車両の整理に気を使わなければならない時期も存在する。いわゆる年間を通して、駐車施設の稼働率をはっきりと把握し、これに対応した運営が望まれることになる。例えば、春は行楽客、夏は登山客や温泉等の滞在客、秋は行楽や名所旧跡の観光客、冬は雪山のシーズンのスポーツ客の利用など、顧客の流れが途絶えない観光地なら比較的に駐車場の稼働率は安定するが、1年を通じて秋の果物とりや紅葉狩りのような時のみしか集客がないような地域では、秋の駐車場経営以外に、他の時期の空閑地利用を考慮しておかなければならない場合もある。関空は観光・ビジネス・運送を中心に運営されている日本有数の国際空港です。

⑥ 大型集客施設

遊園地やスポーツ施設、ショッピングセンターや演芸施設、果物園や植物園等、これらの施設には通常は無料の駐車場が敷設化されている場合が多いが、なかには私鉄の運営の集客施設の中には、車での施設利用客を意識的に制限している所も多い。したがって、このような施設の周辺部では、時によって個人的利用の駐車場利用者が多く存在している場合も多い。つまり、大型集客施設の状況や車利用客の動向をよく見極めた上での適応した運営が望まれることになる。旅行シーズンなどは日本中、世界中からこの関空向けて人が集まってきますので、たくさんのホテルや日本の有名お食事所などが多数集まっています。

⑦ その他

以上のような駐車場立地の他にも、例えば卸売り団地や工場団地、あるいは郊外レストランの集積地や市区町村の役場などの周辺部の立地など、多くの駐車場立地が存在するが、何れにしても、月極契約が取れる地域以外では、安定した利用客が確保されるか否か、あるいは時間帯別の稼働率が一定に保持されるかどうかによって判断されなければならないし、綿密な収支予測の策定による運営が必要となる。昨今は民間の関空駐車場の利用料金は下がる一方で各社とも凌ぎを削っている状況が続いており益々、経営手腕が問われている。

注意事項———————————————

「駐車場経営ハンドブック」 小野攻他著/経営情報出版社・2004年版より抜粋し、関空駐車場の経営者としての現況を併せて感想を著書に追記投稿しています。
この本自体の更なる詳しい内容については直接ご購入の上確認をお願いします。
記述の正確性につきましては保証しません。